
この記事は[Part 2]の続きとなっています。
統語論について勉強したことのない方は以下の[Part 1]を先に読むことをすすめます。
句構造規則
それぞれの語彙範疇、機能範疇は組み合わさって句を作ります。
例えば、名詞(N)「花」は形容詞(Adj)「赤い」とくっついて「赤い花」という名詞句(NP)を作ります。

この性質の最も基本的なものは次のS規則(S-rule)です
S → NP VP
ここからスタートして、さまざまな句のルールを考えましょう。
名詞句規則(NP-rules)
名詞句のルールを確認しましょう。
私たちは名詞を形容詞 Adj で修飾したり、決定詞 D(例:これ、それ、〜の…)を使って名詞を指定したりすることができます。
さらに、私たちは文 S で名詞を修飾することができます。
NP → (S) (DP) (AdjP) N
例1:私のキレイな花
例2:太郎が昨日くれたこの赤い花
カッコがついているものは、なくても成立するものです。NPなら、極端な話Nだけあっても問題ありませんよね。
これを全部適用したツリーは次のようになります。

後置詞句規則(PP-rules)
後置詞句 PP は非常に単純で、名詞句 NP に後置詞 P がくっつくだけです。
PP → NP P
例1:学校で
例2:東京から
例3:三時まで
例4:太郎と
例5:公園に
PP単体の樹形図は次のような形になります。

動詞句規則(VP-rules)
動詞には、副詞 Adv をつけたり、目的語の NP をつけたりするほか、後置詞句 PP をつけて動詞の意味や対象をより明確にすることができます。また、文 S を含む補文 CP をつけることもできます。
VP → (CP) (PP) (NP) (AdvP) V
例1:ご飯をはやく食べる
例2:彼にりんごをあげる
例3:カレーはおいしいと思う


形容詞句・副詞句規則(AdjP・AdvP-rules)
形容詞句:AdjP
形容詞句は形容詞と副詞句からなる非常に単純な句です。
AdjP → (AdvP) Adj
例:とても赤い

副詞句:AdvP
副詞句は、新たな副詞句とくっつくことしかありません。
AdvP → (AdvP) Adv
例:とてもゆっくり

決定詞句規則(DP-rules)
決定詞句は、決定詞単体か、決定詞と名詞からできています。
DP → (NP) D
例1:私の
例2:この


補文規則(CP-rule)
文中にまた文を挿入するとき、補文標識 C を用いて文をはめ込みます。有名な補文標識は「と」です。
「〜だと思う」や「〜と考えた」などで用いられる「と」が補文標識で、この補文標識が導く文 S と一緒にCPを形成します。
CP → S C
例:彼がカレーを食べたと〜

時制・屈折要素を含めた文(TP-rule)
従来のS規則(S-rule)に時制・屈折要素 T を組み合わせてみましょう。
T には「過去・現在」などの時制や「文の意味を変えられる助動詞」が含まれます。
これにより、これまでとは異なり、動詞の語幹は V 、助動詞は T として記述することができます。

これまで文という要素を S で表してきましたが、S は句であるとは言えないので、 これでは前提①を満たせているとは言えません。
T は文全体に関わる要素であることから、これまでとは異なり、文を「T を主要部とする句 TP」と分析することができます。
このようにすると、全ての要素が何かの句に含まれます。
文の規則を改めると、次のようになります。
TP → NP VP T

ツリーを書く
では、基本的な句構造規則を用いてツリーをいくつか書いてみましょう。
1) とても高い山

2) 先生の机

3) 太郎が学校で本を読む

4) 花子が公園でゆっくり歩く

5) 花子がこの赤い本をとてもゆっくり読む







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