【言語習得】セミリンガリズムに関する発表【発表資料】

言語学
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これは2026年1月に行われた「グローバル社会」に関する発表で用いた資料です。

発表内容

この発表では、一般的にセミリンガルと呼ばれる状態に関して、生得説の視点からみた子どもの母語習得のメカニズムを用いて説明しました。

このメカニズムから考えると、複数種類の言語刺激を受け取ることが言語獲得においてはいい結果にならないことが推測できます。

セミリンガル現象について整理した後はそれを提唱したと言われる学者Hansegårdについて取り上げています。

現在の研究では、彼はこれらの理論構築や研究中の語用において、ナチ言語学やナチス由来の選民意識を含んでいたことが考えられています。こういった文脈などから、「セミリンガル」という語を使わないように意識する人も増えてきました。

そこからはバイリンガリズムの枠組みの中で新たな格を得てセミリンガルがダブル・リミテッドとよばれるようになったことなどを述べています。

発表に関する指摘と不足

この発表では母語獲得理論からの単純な推論でセミリンガリズムの形成を導いていますが、本来はもっと複雑なものになっています。

また、セミリンガルの定義を明確に示さずに議論を進めているので、現在の主要な研究との理論的な矛盾が発生しています。

ダブル・リミテッド現象などのバイリンガリズム研究としては、「生活言語能力(BICS)」と「学習言語能力(CALP)」のギャップだったり、「共有基底モデル」に始まるカミンズ理論があります(Cummins, 1979)。特にバイリンガル研究でカミンズに言及しないのはかなり難しいと思われます。

カミンズ理論などの外観と現状は河野(2025)が簡潔にまとめているので、気になった方はぜひご覧になってみてください。

この発表は新規性のある研究を発表するためのものではなく、セミリンガリズムに関して特定の視点から整理することなので、何かの参考になれば幸いだと考えています。

スライド資料

参考資料

Cummins, J. (1979). Linguistic interdependence and the educational development of bilingual children. Review of Educational Research, 49, 222-251. 

Cummins, J. (2021). Rethinking the education of multilingual learners. Multilingual Matters.

河野円 (2025). カミンズのバイリンガリズム理論再考. 津田塾大学紀要, 57.

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