【授業案】英単語の定義を考える授業【発表資料】

英語
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この記事は以前行った語彙指導の試みに関する発表資料です。

この発表では高校生を対象に単語の具体的な定義を考えることで英語での表現力の向上を狙う試みに関して発表し、実際の模擬授業を行いました。ここではその模擬授業に使用したスライドの一部を公開しています。

発表内容

この授業では簡単な単語を提示し、その単語について学習者に英語で説明してもらうことを計画しました。

最初に私は意味(meaning)と定義(definition)が異なったものであることを示し、単語の定義が示されているものの例として辞書をあげました。

辞書の定義を一度示してから、あとはペアに分かれて二人一組で私が提示した単語を英語で定義してもらうという流れで授業を行いました。

スライドにもありましたが、私が例で示した単語(book)の辞書上の定義は次のようになっています。


A set of printed pages that are fastened inside a cover so that you can turn them and read them


“book.” Oxford Advanced Learner’s Dictionary, 10th ed., Oxford UP, 2020, p. 165.

dekka-dog
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この一文だけでも文法指導の機会になりそうですし作文にも活用できそうです。これは私の感想ですが、辞書の語義はどれも名文だと思っています。可能ならこういった文をたくさん学習者に提示したいですね。

ペアで活動してもらった単語は [river][water] です。それぞれに対して3分ほど時間を与えて、紙とペンのみを用いて活動をしてもらいました。模擬授業の制約上時間を取ることはできませんでしたが、名詞以外にも動詞で活動できればより高度な活動ができると思います。

活動終了後にはそれぞれのグループでまとまった定義を発表してもらい、グループ間の定義の差について反応する時間がありました。全体共有の後には私が事前に用意していた平易な英文での定義の例と辞書で実際にどのように示されているかを提示しました。

今回利用した辞書はOALD第10版(2020)です(citation情報はスライドの引用ページ下部にあります)。また、Definitionの例として提示した文は生成AI(当時のモデル:ChatGPT 4o)によって生成されたものです。

発表内容の講評

実際に行った模擬授業では大変良い反応をいただけましたが、やはり後から振り返っても導入や例示が不十分であることは否定できない課題だと感じています。

また、実際に指摘された内容としては意味(meaning)について言及するのであれば意味の例文も示すと良いというものでした。

いただいたコメントはどれも私のそのときの発言や資料提示に対するものでしたので、実際の授業構造としての不足はそれほど見られないと感じました。授業全体を英語で行いましたが、ペアワークのみはハイレベルなコミュニケーションによる協力を学習者にして欲しかったので母語使用を許可しました。おそらくこれがうまくいった原因だと考えています。

発表内容の拡張

先述の通り、今回は名詞のみで行なった授業でしたが、動詞で行なってみたり、あえて機能語について説明してみたりなどすることで内容の難易度的な拡張性はかなりあります。

単語について英語で説明してみるという指導は高難度のものに見られるかもしれませんが、目的・場面・状況や言語材料を適切に設定すれば学力が低かったり、英語に苦手意識を持っていたりしても有意義な言語活動を行うことができることは三浦他(2025, pp. 138–142)に収録されている石井博之先生の実践から読み取れます。

この石井先生の実践では、生徒たちは関係代名詞のwhoを扱うときにこれを使って “A friend is someone who …” という形式で「友達の定義」をテーマに自己表現をしています。この活動をきっかけに教室内であまり関わり合っていなかった特定の生徒たちがコミュニケーションをとることができるようになったといいます。

私は特別この本のように人間形成的なアプローチを意識して授業づくりをしたわけではありませんが、実際の授業実践において子どもたちの学力に大きく惑わされず彼らを言じてタスクを設定する 指導を行う姿勢には学べることがたくさんあります。

スライド資料

参考文献一覧

三浦孝・加賀田哲也・柳田綾. (2025). 心を育てる英語教育、はじめました:英語教師たちの挑戦と実践. 研究社.

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